01
手前の山吹色は、縄文海進以後の海退が残した浜堤列と堤間湿地が繰り返す海岸線に平行な縞状地形。レンガ色から濃緑色は古砂丘で、これらはゲール語で砂丘地帯を意味するリンクスを彷彿させる。遠くの濃緑色は、周氷河作用を受けた低平な宗谷丘陵。
02
遠くの金田岬は、暗赤色は約1億年前の前期白亜紀礼文層群玄武岩質安山岩の水冷破砕岩、中間から手前は新第三紀の堆積岩からなる。周氷河作用により羊の背中を思わせる、丸みを帯びたなだらかな丘陵地形が広がる。手前は新第三紀硬質頁岩層で、ここには多数の大きな地すべりが形成されている。対馬暖流の澄み切った海の色が印象的。
03
北海道の背骨、日高山脈南部東側を流れる猿留川は、高温変成岩の堅硬な岩盤を穿って流下する透明度が高い清流だ。上流には、地すべりで堰き止められてできたハート型の豊似湖があり、このルートは観光名所となっている。
04
富良野盆地は、北海道の南北に連なる中央凹地を構成する構造盆地である。十勝岳から数百万年前に噴出した大規模火砕流で埋めたてられ火砕岩台地を形成する。最終氷期の周氷河作用が削り出した美しいアンジュレ-ションが、観光の対象になっている。遠景の十勝岳は大正時代に噴火・火砕流・岩屑なだれ・火山泥流により、多数の死者を出す悲惨な災害をもたらした。